茶詩詞話〜「揚州八怪」鄭板橋の茶詩に映る、茶と花と月の禅的ひととき】

茶詩詞話〜「揚州八怪」鄭板橋の茶詩に映る、茶と花と月の禅的ひととき】

清代の画家・詩人、鄭燮(号:板橋)。彼の茶詩には、一碗の茶から「無限の静けさ」をすくいとる、禅的なまなざしが宿っています。
茶詩
小廊茶熟已無煙
折取寒花瘦可憐
一陣小風香襲入
雲光浸月月光禪
解説
小さな廊下で茶がちょうど飲み頃となり、火も落ちて“無煙”の静けさが訪れる。寒さに耐えて咲く花は、ほっそりとした姿だからこそ凛として愛おしい。
やがて一陣の風が吹き、茶と花の香りをふわりと運んでくる。
見上げれば、雲の光と月明かりがやわらかく溶け合い、あたりは“月光の禅”に包まれていく。
わずか28字の中に、
静寂 → 共感 → 香の目覚め → 宇宙的な澄明
という流れが、滑らかに凝縮されています。
現代茶藝への応用
• 穏やかな火加減:いったん沸かし、少し落ち着かせて余熱で淹れる。
• 一輪の佇まい:香り控えめの花を低く添え、空間に“余白”をつくる。
• 光と間:柔らかな間接光の下で、一口ごとに小さな静けさを味わう。

小さな空間でも、一杯の茶は風・花・光と共鳴し、心を大きくひらいてくれる。
今夜はご自身のために、静かな一服をどうぞ。
(文・図:中華茶講師協会・NPO中国茶文化協会 理事長 林聖泰)

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