テロワールを未来へ――気候変動から伝統の風味を守る「育種4.0」革命

もし「AIが、お茶のテロワールを読み解く時代が来る」と聞いたら、どんなイメージが浮かびますか?

最近よく耳にする「育種4.0」とは、AIが作物の「設計図(遺伝子)」、「育ち方(生育データ)」、「環境(土壌や天候)」といった膨大なデータを解析する、新しい育種のスタイルのことです。

これこそ、まさにお茶の世界にぴったりの技術だと思いませんか。
お茶の味わいは、「品種」と「テロワール」の奇跡的な出会いから生まれます。

ところが、昨今の気候変動によって、長く守られてきた伝統的な産地もピンチを迎えています。
いつか「あの味」が、そっと失われてしまうかもしれない――そんな不安も現実味を帯びてきました。

そこで頼りになる存在として期待されているのが、AIです。
変化し続ける環境を予測し、

「この土地なら、この品種がいちばん豊かな香りを放つ」

という答えを、ベテラン職人の“目利き”のように導き出してくれる「賢い助手」になれるかもしれません。

テクノロジーは、伝統を壊すためではなく、
私たちが愛してやまない一杯のお茶の「味」と「香り」の未来を守るためにこそ生かせるはずです。

伝統を守るための、前向きな革新。
そう考えると、「育種4.0」という言葉が、少しワクワクして聞こえてきませんか。

(写真・文:中華茶講師協会 理事長/華泰茶荘・林華泰茶行 五代目店主 林聖泰)

 
 

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