
――「美味しい」を科学的に読み解き、台湾茶の未来を担う人材へ
知識を学び、感覚を磨き、言葉で伝える。台湾茶の専門教育が、新たな一歩を踏み出しました。
2026年10月17日(土)・18日(日)、一般社団法人中華茶講師協会主催、日本華泰茶荘共催による第4期「初級台湾国際評茶師資格認定講座」が、東京・渋谷の華泰茶藝館にて無事終了しました。
今回の講座では、台湾農業部「茶及飲料作物改良場」による「臺灣特色茶國際證照班(初級)」の教育プログラムに基づき、事前WEB学習と対面実習を組み合わせた改訂版カリキュラムを導入しました。
そして、嬉しい成果をご報告いたします。
学科・実技の検定試験では、受講者全員が高得点で合格されました。
受講者の皆様の熱意と努力に、心から敬意を表するとともに、協会としてお祝い申し上げます。
■ 台湾茶教育を、次のステージへ
台湾茶を学ぶとき、私たちは何を身につけるべきでしょうか。
茶の名前を覚えること。産地や品種、製造工程を理解すること。美味しい淹れ方を習得すること。
もちろん、どれも大切です。
しかし、専門家としてさらに重要なのは、茶葉の品質や特徴を客観的な視点で観察し、自分の感覚を適切な言葉で伝える能力です。
例えば、二つの烏龍茶を比較した際に、
「こちらの方が香りが良い」という感想だけではなく、
香気の種類や強さ、滋味、収斂性、回甘、余韻、そして茶葉の外観や葉底まで、
一定の評価手順に沿って説明する。
こうした技術が「評茶」の基本です。
評茶は、単なる飲み比べではありません。
茶葉の品質特性を理解し、生産者、販売者、講師、消費者をつなぐための重要な専門技能でもあります。
■ 最新カリキュラムVer.2.0――学習から実践へ
今回の講座では、従来の内容を大幅に見直し、学習効率と実践性を高めるために、三つの段階を設けました。
1.台湾「茶及飲料作物改良場」の指定標準茶と日本語教材による事前学習
台湾農業部「茶及飲料作物改良場」が指定した10種類の標準茶を、受講者の皆様へ事前に送付しました。
品評会受賞茶を含む茶葉を実際に手元に置きながら、台湾特色茶の特徴を繰り返し確認できる仕組みです。さらに、台湾茶の品種、産地、製法、品質評価などを体系的に理解できるよう、日本語教材と講座の配布資料も改訂しました。
2.WEB講座による基礎知識の習得
受講者が自分の生活に合わせ、学習を進められるWEB講座を採用しました。
事前に理論を身につけることで、対面講座では実習と質疑応答に、より多くの時間を活用できるようにしています。
3.対面実習による評茶・茶藝の技術習得
渋谷・華泰茶藝館での対面講座では、個別の評茶器具を使用し、台湾茶の外観、香気、水色、滋味、葉底などを観察しました。
台湾特色茶風味輪を活用し、感じ取った香りや味をどのように整理して表現するかを実践。
茶藝や美味しい淹れ方についても、実際の茶葉と茶器に触れながら学んでいただきました。
■ 風味輪は「正解表」ではなく、茶の共通言語
今回の教育で重視したことの一つが、台湾特色茶風味輪の活用です。
茶の香りや滋味は、これまで「花のような香り」「甘い香り」「芳醇な味わい」など、多様な言葉で表現されてきました。
もちろん、こうした表現にも価値があります。
しかし、専門的な評茶では、感覚的な表現をできるだけ共有しやすい言葉に整理することが求められます。風味輪は、そのための道具です。
ただし、風味輪に掲載されている香りを見つければ、その茶が高品質だというわけではありません。
香気や滋味の特徴を記述することと、茶葉の品質を判定することは、区別して考える必要があります。
「自分が好きな茶」と「品質評価の高い茶」は、必ずしも一致しません。
この違いを理解することが、評茶技術を深める大切な第一歩になります。
■ 検定試験は全員合格。正式な資格取得へ
10月18日の検定試験では、受講者全員が学習成果を発揮され、高得点で合格しました。
翌19日には、受講者の登録情報を確認し、検定成績を専用オンラインシステムへ入力しました。
今後は、所定の台湾現地視察とレポート提出を経て、正式な資格認定の手続きに進みます。
今回のプログラムでは、学科・実技試験に合格した後、原則として2年以内に台湾の指定茶区などを訪問し、体験レポートと写真等を提出して審査を受ける必要があります。
すべての要件を満たし、審査を通過した方には、台湾農業部「茶及飲料作物改良場」から正式な「臺灣特色茶國際證照班(初級)合格證書」が発行されます。
■ 資格取得は終点ではなく、学びの始まり
中華茶講師協会では、資格取得を最終目的とは考えていません。
台湾の茶産地を訪れ、茶農家や製茶現場に触れ、学んだ知識を実際の茶づくりと結びつける。
また、日々の茶席や教室、茶専門店での活動を通して、学んだ技術を生かしていく。
その積み重ねによって、茶の知識は本当の意味で身についていくと考えています。
今後は、評茶師講座、茶藝師講座、ブラッシュアップ講座、そして来年の台湾茶・中国茶インストラクター養成講座の開講など、継続して専門性を高められる教育環境の整備を進めてまいります。
正しい知識を学び、品質を見極め、茶文化の魅力を次の世代へ伝える。
中華茶講師協会は、これからも台湾と日本を結ぶ茶文化教育の架け橋として、専門人材の育成に取り組んでまいります。
受講者の皆様、改めましておめでとうございます。
また、ともに学べる日を楽しみにしております。
(写真・文章:一般社団法人 中華茶講師協会 理事長 林 聖泰)
■ 今後の学習・講座のご案内
10月25日(日)楽茶塾
「烏龍茶、三つの進化 ~製法・産地・工夫茶器で読み解く」
四種の茶葉を六杯で比較し、品質と茶器の関係を実践的に学びます。
▶︎ 講座案内・受付状況
11月14日(土)・15日(日)NPO中国茶文化協会認定「中級資格」
「台湾茶・中国茶のプロ養成講座」
台湾茶・中国茶を体系的に学び、専門知識と実技を身につけたい方におすすめです。
▶︎ 講座詳細・お申し込み
11月25日(水)WEBライブ講座
『ChaTea五代目 中国茶旅探検記』第3回
「茶馬古道・シャングリラと千年大茶樹 ~雲南の茶旅行紀行」
▶︎ 講座詳細・お申し込み

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