
「初加工」「精加工」「再加工」— お茶の加工段階を明確に解説
私たちがお茶の製造工程を教える際、「一次加工」や「二次加工」といった言葉を使うことがあります。
今回は、業界標準(GH/T 1124-2016など)に基づき、お茶の加工段階を示す3つの重要な用語「初加工」「精加工」「再加工」について、その定義と違いを整理します。
1. 一次加工 =「初加工(しょかこう)」:中国茶の「6大茶類」。
<主に茶農家・産地製茶工場の仕事>
まず、「一次加工」に相当する最も正確な専門用語は「初加工」です。
-
定義:
摘みたての生の葉(鮮葉)を、保存がきく状態の「毛茶(もうちゃ)」(荒茶とも呼ばれます)にするまでの工程の総称です。 -
ポイント:
これは、殺青、揉捻、発酵、乾燥など、お茶の基本的な個性を決定づける最初のステップです。ここでの生産品が、後続のすべての工程の「原料」となります。
2.「二次加工」が指す、2つの異なる製茶工程:
<主に茶問屋・販売店の仕事>
次に、「二次加工」という言葉は、文脈によってまったく異なる2つの工程を指すため、指導の際には注意が必要です。
それが「精加工」と「再加工」です。
A. 精加工(せいかこう):“仕上げる”工程
-
定義: 「毛茶(荒茶)」を原料として、選別、整形、ブレンド(拼配)などを行い、私たちが店頭で目にする「成品茶(せいひんちゃ)」(製品)に仕上げる工程の総称です。
-
ニュアンス: これは日本語の「仕上げ加工」に最も近い概念です。毛茶に含まれる茎や異物を取り除き、形を整え、品質を均一化する「磨き上げる」作業を指します。
B. 再加工(さいかこう): “作り変える”工程:「再加工の6大茶類」
-
定義: 「毛茶」または「成品茶」を原料として、さらに手を加えて新しい種類のお茶を製造する工程の総称です。
-
ニュアンス: これは「原料」を別のカテゴリーの製品に「再加工」する作業を指します。
まとめ:学習のポイント
この3つの用語を明確に使い分けることで、お茶生産への理解を格段に深めることができます。
- 初加工 (一次加工): 生の葉 → 毛茶(荒茶)
- 精加工 (二次加工A): 毛茶 → 成品茶(製品) … 仕上げる
- 再加工 (二次加工B): 毛茶・成品茶 → 花茶・緊圧茶 … 作り変える
ぜひ、今後の勉強でこの正確な用語定義をご活用ください。
(GH/T 1124-2016より 解説・文章・写真:中華茶講師協会 理事長 林聖泰)
©️2025 Lin Shengtai.All Rights Reserved.無断転写・引用禁止

コメント