『ChaTea五代目の茶館ノート8』「茶藝」と「評茶」って、何が違うの?

──茶藝館は、学びの入口でもある

お茶を美しく淹れる道と、お茶を正しく見極める道。
じつは別ものなんです。
『ChaTea五代目の茶館ノート』台湾編の最終回は、茶藝館の“もう一歩奥”へ。ご一緒に。

渋谷の華泰茶藝館には、朝の開店から夜まで、一日じゅう過ごしていく常連さんがいます。
本を読んで、考えごとをして、友だちと語って、茶料理をつまんで、お茶を何煎も淹れながら。
なんでもない一日を、まるごと茶藝館で過ごす。
いい時間だなあ、といつも思います。
茶藝館は、そういう「ただ居られる場所」なんですね。

そして、その時間を重ねるうちに、多くの方が、もう一歩踏み込みたくなります。
「このお茶のこと、もっと知りたい」と。そうなんです。
茶藝館は、楽しむだけの場所ではありません。
学びへの入口でもある。
台湾編の最後に、その「学び」のお話をさせてください。

お茶を深く知るには、大きく二つの道があります。
茶藝と、評茶です。

茶藝(ちゃげい) は、お茶を美しく淹れて、味わって、もてなす「表現」の世界。
茶器の選び方、お湯のあつかい、注ぎの所作、空間のしつらえ。一杯を、いかに美しく、いかに心地よく差し出すか。
茶藝館で見かける、あの流れるような淹れ方こそが、茶藝です。

評茶(ひょうちゃ) は、お茶を正しく見極める「鑑定」の世界。
茶葉の外観、香り、水色(すいしょく=水の色)、味、そして淹れたあとの茶殻まで、決まった手順で観察して、その品質を判定します。
良し悪しを、なんとなくの感覚ではなく、確かな基準で言葉にする。これは、まぎれもないプロの技術です。

つまり、茶藝が「美しく淹れて、楽しませる」道なら、評茶は「正しく見極めて、伝える」道。
表現と、鑑定。

この二つは、お茶の世界を支える車の両輪なんです。

どうして、両方が大事なのでしょう。
どれほど美しく淹れても、茶葉そのものを見抜く目がなければ、本当に良いお茶を選ぶことはできません。
逆に、見極める目があっても、淹れて差し出す技がなければ、その良さは相手に伝わらない。
両輪がそろって、はじめてお茶は、いちばん豊かなかたちで人に届きます。
私自身、評茶師であり、茶藝師の講師でもありますが、長くお茶に携わるほど、この二つは切り離せないなあ、と感じています。

だから華泰茶荘では、茶藝も評茶も、基礎からきちんと学べる講座を開いています。
肩の凝らない「楽茶塾」の催しから、国家資格である茶藝師・評茶師をめざす本格的な講座、プロを養成する集中講座まで。
茶藝館で「楽しむ」ことから始めて、「学ぶ」ことへ、そして「極める」ことへ。
その道は、ちゃんと地続きにつながっているんです。

さて、ここで、台湾の茶藝館をめぐる旅も、ひと区切りです。
その正体を問い、百年の歩みをたどり、九份と猫空と台中を歩き、茶水費を解いて、ゆっくりした楽しみ方を知りました。
そうして見えてきたのは、たったひとつのことでした——
茶藝館は、「お茶を飲ませる店」では、決してない。

茶葉を買い、一杯を味わい、半日を過ごし、知識を学び、人とつながる。
お茶を中心に、これだけのものを集めた、ひとつの文化の場なんです

だから茶藝館は、飲食店のものさしでは測れません。
回転率でも、客単価でもない。
次にあなたが茶藝館の扉を開けるとき、目の前にあるのは、ただの一杯のお茶ではありません。
台湾が百年かけて育てた、文化そのものです。

次回からは、海を渡ります。
同じ「お茶を囲む場所」が、中国ではどんな顔をしているのか。
上海、北京、杭州、四川——中国茶館の世界へ、ご案内しますね。

(文章・図表:中華茶講師協会理事長・華泰茶荘五代目店主 林 聖泰)


▶ 楽茶塾(10月25日)……
肩の凝らない、味わうことから楽しく勉強できるお茶会。

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      10月25日の楽茶塾『烏龍茶、三つの進化 』@渋谷・華泰茶藝館

【烏龍茶、三つの進化 〜製法・産地・工夫茶器で読み解く】
ーー 四種の受賞茶・秘蔵茶を、六杯で。
10月25日(日)10:30-12:30 @渋谷・華泰茶藝館
▶︎https://www.chinatea.co.jp/shop/products/detail/3433

▶ WEB中国茶旅・茶文化講座……
産地と茶館をオンラインでめぐる。遠方の方もご一緒に。

WEBライブ講座+公式副読本(8P)+見逃配信付(3週間)
 第1回
【シルクロードの茶・歴史・異文化の物語〜西安から敦煌の茶旅行紀行】
 第2回
【茶馬古道・天空雪域チベットの紀行 〜茶と文化の物語
 第3回
【茶馬古道・シャングリラと千年大茶樹〜雲南の茶旅行紀行】

▶ 第4回 『台湾国際評茶師 初級講座』……
中華茶講師協会主催・台湾農業部「茶及飲料作物改良場」認定資格

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2026年10月第4期【初級台湾国際評茶師 資格認定講座】

評茶=「正しく見極める」道の第一歩。外観・香り・水色・味・茶殻を、手順に沿って判定する基礎から。
香り、滋味、品種、製法、産地を体系的に学び、評茶の視点から一杯の茶を読み解くための政府認定資格取得の専門講座。
◎ 2026年10月第4期【初級台湾国際評茶師 資格認定講座】
https://www.chinatea.co.jp/shop/products/detail/3430
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< 楽しいイベント>  
WEB茶文化・茶旅講座など、季節の催しのご案内です。
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