楽茶塾『五つの観音物語』の開催報告

二時間で八種類。
鉄観音を「知っている」から「語れる」へ

このたび、楽茶塾『五つの「観音」物語』を開催いたしました。
ご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました。

今回のテーマは、鉄観音です。
中国茶・台湾茶を学ぶ方にとって、鉄観音はとてもなじみ深い茶名です。
しかし、よく知られた名前である一方で、その内容は決して単純ではありません。

鉄観音には、茶樹品種としての鉄観音、烏龍茶製法としての鉄観音、そ
して安渓や木柵で育まれてきた製法・焙煎・評価文化としての鉄観音という、
少なくとも三つの層があります。

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               (鉄観音に関する三つの側面)

この三つを分けて考えると、鉄観音の世界は一気に広がります。
安渓鉄観音には、蘭花香、観音韻、回甘清爽感があります。
台湾木柵鉄観音には、やや深い発酵、反復焙揉、焙火によって生まれる熟果香、焙香、喉韻があります。
金観音黄金桂には、現代品種や黄旦系の高香があります。
観音紅茶、鳳凰観音、桂花鉄観音には、鉄観音の技術文化が別の茶類や香りへ広がっていく面白さがあります。
老茶の正叢鉄観音には、時間と保存、再焙煎が生む陳香、薬香、木質香があります。

今回の楽茶塾では、二時間という限られた時間の中で、八種類の観音茶を飲み比べました。
桂花鉄観音
安渓鉄観音
金観音
木柵黄金桂
木柵正叢鉄観音
鉄観音紅茶
鳳凰観音
正叢鉄観音老茶
この八種類を並べることは、決して簡単なことではありませんでした。

茶葉の選定、順番、湯温、抽出、資料、図表、説明の時間配分。
どれか一つが崩れると、香りの違いも、評価のポイントも伝わりにくくなります。

講師自身も準備の段階で、
「二時間で八種類は多すぎるのではないか」
「もっと少ない種類でじっくり行うべきではないか」
と何度も悩みました。

しかし、今回の目的は、鉄観音を一つの茶名として覚えることではなく、
同じ観音という名の中に、これほど違う世界がある」ことを、
実際に茶杯で体験していただくことでした。

そのため、あえて八種類を一つの流れとして組み立てました。

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(写真:A桂花鉄観音、B観音紅茶、C木柵鳳凰観音、D正叢鉄観音老茶)

茶葉の色、形、焙煎、揉捻の違いからも、それぞれの個性が見えてきます。
当日は、参加者の皆さまの熱気がとても印象的でした。
香りを聞く。
茶湯を比べる。
茶殻(葉底)を見る。
焙煎の違いを感じる。

「これは紅茶として見るのですね」と確認する。
「鳳凰観音は広東の鳳凰単叢とは違うのですね」と整理する。
「正叢という言葉の意味がやっとわかりました」とうなずく。

その一つ一つの反応が、今回の講座をより深い学びの場にしてくれました。

講座後のアンケートでも、内容の深さ、飲み比べの面白さ、
受賞茶や老茶を体験できたこと、木柵黄金桂や鳳凰観音の印象など、
多くの感想をいただいております。

同時に、進行の速さ、用語の難しさ、資料や復習教材への要望など、
今後改善すべき点も確認できました。
自分としては、こうした参加者の声を大切にしながら、
今後の講座づくりに活かしてまいります。


今回、参加者の皆さまからの要望に応える形で、note『ChaTea五代目茶論』にて、
復習用の副読本『鉄観音は、一種類のお茶ではない』を作成しました。
▼ 復習用副読本『鉄観音は、一種類のお茶ではない』
https://note.com/chatea5/n/n14a3fba8134e

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復習用の副読本『鉄観音は、一種類のお茶ではない』

これは、楽茶塾『五つの「観音」物語』の特典教材として、
鉄観音の三つの層(側面)、魏説と王説、正叢とは何か、鳳凰観音・観音紅茶・桂花鉄観音の整理、
八種「観音」の飲み方、淹れ方の考え方をまとめたものです。

また、さらに深く学びたい方、講師・茶会主宰者・中級以上の愛好家のために、
プロ講師資料を元に、<期間限定>『五つの「観音」物語を極める 完全読本』も公開しました。
▼ 『五つの「観音」物語を極める 完全読本』
https://note.com/chatea5/n/n75a07904027c

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9,000文字を超える保存版教材。『五つの観音物語を極める 完全読本』

こちらは、年表、地図、国家標準と地方標準、製茶工程、音韻の形成、観音系改良品種、台湾木柵の伝統維持と多様化、八種飲み比べ詳細表、茶種別の淹れ方、よい鉄観音の選び方までを整理した、9,000文字を超える保存版教材です。

大きな商業的企画というより、
茶を学びたい方、伝えたい方のために、
少しでも役立つ資料を残したいという思いから
生まれた試みです。

中国茶・台湾茶の学びは、茶名を覚えることだけではありません。
品種を見る。
産地を見る。
製法を見る。
焙煎を見る。
熟成を見る。
そして、最後に自分の言葉で味わいを語る。

この流れを身につけることで、
お茶は単なる嗜好品から、文化を読み解く入口になります。


次回の楽茶塾は、9月27日(日)開催予定です。

楽茶塾
【蜜香の秘密と熟成の科学】
――品評会受賞茶と老茶を含む東方美人茶、
 蜜香烏龍、蜜香紅茶で読み解く風味の設計図
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https://www.chinatea.co.jp/shop/products/detail/3428

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品評会受賞茶と老茶を含む東方美人茶、蜜香烏龍、蜜香紅茶の飲み比べ

9月のテーマは、「蜜香」と「熟成」です。
東方美人茶、蜜香烏龍、蜜香紅茶を軸に、ウンカが生む蜜香、品種、製法、熟成、
品評会受賞茶の見方を、実際に飲み比べながら学んでいきます。

また、WEBライブ講座『ChaTea五代目 中国茶旅探検記』全3回セットも、
8月15日まで早割受付中です。

▼ WEB茶旅講座『ChaTea五代目 中国茶旅探検記』
https://www.chinatea.co.jp/shop/products/detail/3427

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『ChaTea五代目 中国茶旅探検記』。ライブ講座+副読本付+見逃し録画

茶産地や茶文化の舞台を、写真、地図、文献、現地経験を通して、旅するように学ぶ講座です。
現地へなかなか行けない方にも、茶の背景を立体的に感じていただける内容を目指しています。

今回の『五つの観音物語』が、
皆さまにとって、鉄観音をもう一度深く味わい直し、
「知っているお茶」から「語れるお茶」へ進むきっかけになっていれば幸いです。

またどこかの茶縁で、皆さまとお会いできますことを、心より楽しみにしております。

『ChaTea五代目茶論』 講師 林 聖泰

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